DESIGN STORIES.

〈横浜中納言 日本大通り〉
訪れるたび に、新しい “ 物語 ” が咲く空間。

Works 01.

大阪・神戸・関東に6店舗を展開する、活 伊勢海老料理〈中納言〉。2025年、関東2店舗目の舞台となったのは、歴史とモダンが交差する街、横浜の日本大通りでした。
今回の出店をめぐり、空間デザインを担当した〈東急Re・デザイン SPACE PARTNERS〉の持田と〈中納言〉営業部長の宮下さんに、デザインのこだわりやプロジェクトの背景、そして〈日本大通り〉が目指す未来について対談していただきました。

〈東急Re・デザイン SPACE PARTNERS〉デザイナー・持田 真紗子(モチダ マサコ)
山口県出身。大学でデザインを学び、大手内装会社を経て、2015年〈東急Re・デザイン〉入社。スペースデザイン事業部デザイン部第二デザインチームに所属し、商空間やホテルのデザインを中心に手がける。「光と素材が織りなす時間」をテーマに、人々の記憶に残る空間づくりを追求。江戸切子をモチーフとした「ホテルインターゲート東京 京橋」や、上質な時間を過ごすフィットネスをテーマとした「ヒルトン名古屋フィットネスセンター」リニューアルなどを担当。「楽しいをつくりだす」という信念のもと、日々新しい挑戦を続けている。

〈中納言〉営業部長・宮下 広和(ミヤシタ ヒロカズ)さん
大阪府東大阪市出身。2000年〈中納言〉に新卒入社。ホールサービスからスタートし、接客主任、店長を経て、2012年 東京支配人に就任。2025年からは営業部長を務めている。仕事における目標は「お客様やスタッフ、関わる業者の皆さんから愛される “良い会社”を実現する」。

唯一無二の2面パノラマビューで、大切な思い出を彩りたい。

宮下:
私は25年以上〈中納言〉で働いています。伊勢海老料理の美味しさは言うまでもありませんが、長く携わる中で変わらず感じている当社の魅力は、やはり「おもてなし」です。お客様の多くはご家族で、お食い初めに始まり、ご結納、還暦祝いへと続く人生の節目の「ハレの日」にご利用いただいています。その大切なひとときを、私たちの温かな心を込めたおもてなしで、さらにかけがえのない思い出にしていただきたい。そう願いながら、日々お客様をお迎えしています。

 

持田:
まさに〈中納言〉は “人生と思い出に寄り添い続ける、幸福な場所”だと思います。そしてこちらのお店にも、その使命はしっかり受け継がれていますよね。特に印象的なのが「2面パノラマビュー」。訪れる方々の大切な時間を、一層鮮やかに彩っています。

 

宮下:
おっしゃる通りです。今回の出店にあたり様々な物件を見学しましたが、このパノラマビューを目にした瞬間「ここしかない」と確信しました。海を一望できる「オーシャンビュー」と、三塔や赤レンガ倉庫まで見渡せる「シティービュー」。お客様からも「横浜イチの景色です」「素敵な思い出になりました」と、多くの喜びの声をいただいています。

 

持田:
ガラス2面に囲まれたこのような区画に出会ったのは、デザイナー人生で初めてでした。デザインコンペで受注が決まった後も、この光景を目にするたびに、ますますこの仕事にかける情熱が高まりました。

〈中納言〉の皆さんと共に、“物語の華” を形に。

宮下:
はじめにコンペのオリエンテーションをしたのが2024年9月。その約1ヶ月後にデザインを提案していただきました。

 

持田:
はい。デザイナーである自分の他、施工に関する部分は営業や制作担当と協力しチーム体制で臨みました。デザインテーマである「優雅×ブロッサム 物語の華が開花する」は、実はすぐに思い浮かびました。〈中納言〉の由来となっている『堤中納言物語』(※平安時代の書)はもちろん、代表のメッセージに「コース料理はひとつの物語」という言葉があり、“物語”という言葉が印象的だったんです。そこに「ハレの日」らしい華やかさも持たせたく、このテーマに行き着きました。

 

宮下:
企画書を拝見したあと、早い段階で全員が御社の提案に賛同しました。〈中納言〉の世界観に対する理解も素晴らしいですし、デザインも洗練された“抜け感”を感じました。横浜ベイエリアという土地柄、若い方のデートの場としてもご利用いただければという思いがありました。実際、この空間ならデートにもぴったりだと感じています。

 

持田:
ありがとうございます。〈中納言〉らしい“和”の雰囲気と、文明開化の舞台らしい “洋”の要素を融合することで、洗練されたモダンさも表現できたと思います。さらに、テーマに合わせて「花」のモチーフを随所に散りばめました。天井には花びらを思わせる曲線を重ね、そこにすだれをシャンデリアのように吊るすことで、華やかさと独自性を演出しています。

 

宮下:
他にも、オープンフロアに設けた半個室の仕切りにすだれを採用していますよね。すだれの種類を選ぶため、福岡県のショールームまで弊社社長も出向きました。〈中納言〉と〈SPACE PARTNERS〉、みんなで素材にもこだわり抜きました。

 

持田:
〈中納言〉の皆さんは、デザインの細部にまで真剣に向き合い、積極的にアイディアを出してくださいました。いただいたインスピレーションをデザインに落とし込むことで、一緒に空間を創りあげたという実感があります。

座席や時間帯で変わる “物語” −お客様やスタッフから一生愛される空間へ。

宮下:
豊かな座席バリエーションも魅力のひとつです。なかでも私のお気に入りは、一段高く設けられたオープンフロアのセンターに位置するソファ席です。目の前に美しい「オーシャンビュー」が広がり、2人並んで景色を楽しみながらお食事をされるお客様の姿をよく目にします。お帰りの際には「今度は違う席で食事を楽しみたい」とご予約をいただくこともしばしばあります。

 

持田:
オープンフロアのソファ席は格子で囲まれ、開放感とプライベート感いずれも兼ね備えており、カップルにもぴったりの特別な空間だと思います。他にも「窓際ビュー席」からは海を間近に望むことができ、「個室」は仕切り方によって、桜の絵とともにシティービューもお楽しみいただけます。さらに昼と夜で、景色は大きく表情を変えます。選ぶ席や時間帯によって、訪れるたびに新しい“物語”に出会える─〈日本大通り〉ならではの体験価値を生み出すために、このように多彩な座席を設けました。

 

宮下:
ここで働く私たちにとっても、この空間には多くの魅力があります。通路の幅にゆとりがあり、配膳や接客もスムーズに行える点もそのひとつ。なにより、この景色を臨みながら働けることで、日々のモチベーションが高まります。先日のみなとみらいの花火大会では、お客様と共に花火を眺め、仕事をしながらも特別な時間を共有することができました。
お客様やスタッフ、そして地域の方々から一生を通して愛され続ける店舗でありたい。そのために、これからも邁進してまいります。

 

持田:
私にとってもこちらのお店はとても愛おしく、デザイナー人生のなかでも、心にのこる空間の一つとなりました。この場所で過ごすことで、多くの方々の“物語の華”が咲き誇りますように—そう心より願っています。

−最後に一言−

【宮下さん】
全店舗の中でも、ひときわ誇れる空間になりました。

〈東急Re・デザイン SPACE PARTNERS〉には、デザインから設計・施工までトータルでご依頼しました。どのフェーズにおいてもコミュニケーションが行き届き、度重なるオーダーにも細やかにご対応いただいたおかげで、最後まで安心してお任せできました。その結果、全店舗のなかでも抜きん出た、誇らしい空間になったと感じています。皆さんもぜひご来店いただき、素晴らしい景色や料理と共に、特別な時間を楽しんでいただけたら幸いです。

 

【持田】
様々な出会いで、空間の“物語”は紡がれ続けます。

空間は完成した瞬間がゴールではなく、過去や未来、そして人の出会いによって“物語”が紡がれ続けます。まさに当事業本部スローガン“Design Movements.”のように、空間の先にある動きまで見据えてデザインする大切さを、本プロジェクトを通じて改めて実感しました。ぜひ〈横浜中納言 日本大通り〉の “物語”を体験してください。

2025年 | テナント工事
基本設計・実施設計・設備計画・内装監理・デザイン監修・デザイン業務・PM業務・施工・内装工事・FF&E・照明・サイン

店舗情報:
〈横浜中納言 日本大通り〉
〒231-0021
神奈川県横浜市中区日本大通り5-1 12階

TEL:045-264-4976
(予約専用ダイヤル 050-1724-5876)

 

営業時間:
11:00~22:00(コースL.O 20:30)
11:00~16:30(ランチ)

 

定休日:
年中無休

 

店舗サイト:
横浜中納言 日本大通り

 

PORTFOLIO:
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